一年で最も寒さが厳しいこの時期。
暖炉や焚き火、囲炉裏のある施設に出かけ、
ゆらめく炎を見つめ薪のはぜる音を聞きながら、
心身ともに温まりませんか?
元箱根山のホテル
ホテル生まれの薪が燃える
クラシカルなラウンジ
芦ノ湖畔、岩崎小彌太男爵の別邸跡地に立つ「山のホテル」は、美しい自然に囲まれた本格リゾートホテル。冬の晴れた日に、庭園や最上階の客室から望む白雪の富士は圧巻だ。
開業から75年、建て替えにより形は変わっても、別邸時代から受け継がれてきたホテルのシンボル的存在が、マントルピースのある暖炉だ。マントルピースとは、壁付きの暖炉に施した装飾のこと。本館1階のラウンジに設置された風格漂う暖炉に、ホテルのロゴマーク「三本杉」の装飾を見ることができる。
特筆すべきは、箱根周辺で伐採された木や倒木が、薪として再利用されていることだ。毎年、ホテルの庭園スタッフが丸太を加工し、2年近くかけて乾燥させ、燃えやすい薪に仕上げる。暖炉にくべられた薪が燃える炎、時折小さくはぜる音、ほんのり鼻腔に感じる煙の香り。時間をかけて薪が作られていることを思うと、より特別なものに感じられる。
ラウンジでは定期的にピアノの生演奏も楽しめる。コンサートに合わせて出かけるのもおすすめだ。
十国峠THE GLAMPING 箱根十国峠
輝く夜景や星空も
山頂の絶景を満喫
標高750mの高台に15棟のコテージが立ち並ぶ「THE GLAMPING 箱根十国峠」。開放的な客室に併設された広いデッキでは、全室バーベキューや焚き火を楽しめる。彩り豊かな厳選食材はもちろん、調理器具や食器、アメニティーもすべて用意されているのがうれしい。
夕暮れが迫る頃、デッキの焚き火台に薪を並べ、火をつける。はじめは心もとない炎がだんだんと力強くなると、アウトドア気分も高まってくる。ディナーは、十国峠の名前の由来にちなみ、静岡や近隣県産の野菜や肉、魚介をふんだんに使ったメニューだ。デッキのグリルで焼いたり、煮込んだり、簡単な調理だけで食べられる。
日が落ちて冷え込みが厳しくなると、焚き火のありがたさがより沁みる。山の澄んだ空気が心地よく、遠くには夜景、見上げれば星がきらめく。薪は無料で追加可能なので、早くになくなってしまっても安心だ。時間を忘れてゆったりとくつろぎ、家族や友人との会話に花を咲かせたい。ここでは都会では過ごせない、特別な冬時間を堪能できる。
DATA
THE GLAMPING 箱根十国峠
仙石原ライムリゾート箱根
火を囲む円形ソファ
思索や憩いの場に
仙石原高原に佇む「ライムリゾート箱根」は、合宿型の滞在を提供するリゾートホテルだ。設計は、パリの「ポンピドゥー・センター」や、小田急ロマンスカー「GSE」などを手がけた建築家、岡部憲明氏によるもの。
建物は、空間全体を見渡せる円環状にデザインされ、自然なコミュニケーションや感性を刺激する工夫が随所に施されている。ゲストルームやダイニング、新姥子温泉を引いた大浴場のほか、シアタースペースや大小ラウンジを備え、企業のキックオフミーティングや研修などに最適。貸し切りウエディングにも利用されている。
施設の中心となるのが、エントランスからすぐのスペースに設けられたフード型の暖炉。暖かな火を囲むように円形に配されたソファには、自然に人が集まる。ここで好きなだけ読書を楽しんだり、思索を巡らせたり、語り合ったり、過ごし方は自由。ゆらめく炎に癒されることで生まれた“何か”は、新たな気づきや活力をもたらしてくれるはずだ。
貸し切りメインの施設ではあるが、日によっては個人利用も可能。プライベート別荘のような感覚で滞在できる。
DATA
ライムリゾート箱根
TEL:0460-83-78272
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1246-845
箱根登山鉄道箱根湯本駅からバス30分
1泊2食付 1名22,990円~、貸し切り最低料金689,700円