観光地として発展してきた箱根周辺のさまざまな歴史的スポットの数々。100年の歴史を刻む「箱根ホテル」からから全面リニューアルした「箱根ホテル小涌園」など、歴史と今をタイムレスに体験できる箱根の名門ホテルを紹介。家族で“昔と今”を感じる旅に出かけませんか。
芦ノ湖
【富士屋ホテルレイクビューアネックス 箱根ホテル】
幾多の逆境を乗り越え100年
湖畔の瀟洒なホテルに憩う
今年6月に創業100年を迎えた「箱根ホテル」。江戸から続く由緒ある旅籠を、「富士屋ホテル」三代目社長・山口正造が買い取り、1923(大正12)年に創業。以来、関東大震災、豆相地震、戦後のドイツ海軍への貸与など、幾多の逆境を乗り越えてきた、歴史深きホテルである。
なんといっても素晴らしいのは、湖畔に佇むホテルならではの眺め。青々とした芦ノ湖が目の前に広がり、晴れた日には富士山も。緑の芝生にハンモックが置かれたガーデンや、開放的なラウンジのテラス席で時間を忘れてのんびり過ごすほか、プライベート桟橋からボートで湖に出るなどアクティブな楽しみ方もできる。
客室はすべてがレイクビュー。プライベートバルコニーから絶景を望む部屋、大きな一枚窓の外に湖が広がり、まるで湖の上にいるような感覚に浸れる客室など、時間とともに移りゆく湖の絶景を独占できるのは、実にぜいたくだ。
お箸でいただくフレンチディナーや月替わりのスイーツなど、100周年を記念したメニューもお楽しみ。箱根エリア全体を盛り上げる企画も進行中だ。
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富士屋ホテルレイクビューアネックス 箱根ホテル
小涌谷
【箱根ホテル小涌園】
思い出の風景はそのままに
次代のリゾートホテルとして新出発
70年近く前の旅行ガイドにも掲載され、ハネムーンや修学旅行先として人気を博した観光地「箱根小涌園」。ここを訪れる多くの旅行者の宿泊先が、1959(昭和34)年開業の「箱根ホテル小涌園」だ。老朽化などで5年前にその役目を終えたが、全面的な建て替えを終え、7月12日により快適に気兼ねなく過ごせるリゾートホテルとして帰ってくる。
旧ホテルのシンボルであった庭園を望むロビーは、吹き抜けにすることで、これまで以上に開放感あふれる空間に。滞在中は館内の大浴場に加え、温泉アミューズメント「箱根小涌園ユネッサン」に入り放題、ライブキッチンのあるビュッフェレストランも登場し、温泉、食事、自然を存分に楽しめるようになった。
セルフチェックイン機やキャッシュレス決済を導入し、ワーケーションに適したスペースを設けるなど、次代にふさわしい設備がそろう新「箱根ホテル小涌園」、ぜひ泊まってみたい。
箱根小涌園の各施設
【箱根小涌園ユネッサン】
水着エリア、温泉エリア、グルメやショッピングモールなどの施設が充実した「ユネッサン」。ホテル開業に合わせ、大規模なリニューアルを実施。7月には温水の流れるプールが誕生する。
【箱根小涌園 天悠】
全室温泉露天風呂付きの宿として2017年にオープンした「天悠」。空と温泉が溶け合うような、大浴場の露天風呂からの景色も見事。
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箱根ホテル小涌園
芦ノ湖
【ザ・プリンス 箱根芦ノ湖】
名建築のホテルに滞在し
湖畔の多彩な体験を楽しむ
劇場や百貨店など、昭和の名建築を数多く手がけた建築界の巨匠・村野藤吾の設計により1978(昭和53)年に開業、今も現役の建築物としては県内唯一となる、「ザ・プリンス 箱根芦ノ湖」。
オープンから45年を迎えるが、圧倒的な美しさに目を奪われるメインロビー、自然に溶け込むような円形の客室棟など、利便性向上のためのリニューアルを除きすべてが開業当時のまま。例えば絨毯は、同じデザインで繰り返し新調するなど、今日まで随所に丁寧なメンテナンスを施し、大切に守られてきた。
三世代での利用には、隣り合う2つのツインルームを中扉で行き来できる、コネクティングルームがおすすめ。別館のブッフェレストラン「レイクサイドグリル」にはライブキッチンもあり、カジュアルに季節の料理を味わえる。
アミューズメント施設「箱根園」が隣接し、滞在の前後に気軽に寄れるのも魅力。アザラシやカワウソなどの愛らしい生き物や大水槽が待つ水族館、絶景の空中散歩が楽しめる箱根 駒ヶ岳ロープウェー、ファミリーに人気の水陸両用ニンジャバスなどを楽しめば、旅の思い出もより深くなる。