春のうららかな日差しが心地よく、新緑が目に鮮やかな時季を迎えた箱根。春休みやゴールデンウィークなど、お出かけにぴったりのこの時季に、自分らしい箱根旅を満喫してみませんか。誰と、どんな滞在を楽しむか、それぞれが描く旅のかたちにフィットする宿4選をご紹介。さらにホテルスタッフおすすめの、近隣の美術館のスイーツや、桜やツツジが見頃を迎える庭園、春風を感じられるロープウェイや海賊船など、この時季楽しみたい箱根の旬スポットも。お気に入りの宿を探して、自分らしい旅のプランを考えてみては。

桃源台

芦ノ湖を望む温泉リゾートで
花咲くような笑顔を

　「箱根・芦ノ湖 はなをり」は、女子旅やファミリー、カップルに人気があり、箱根ビギナーにもおすすめしたい温泉旅館。３階に位置する正面エントランスの扉の先には、人工物が何もない雄大なパノラマが広がり、湖につながるような水盤テラスも注目の的だ。
　やさしい色合いでまとめられた客室は、靴を脱いでくつろぐスタイル。家具は低く抑えられ、ゆとりを感じる造りで、畳スペースが設けられた客室は、子ども連れや三世代にも使いやすい。客室に作務衣が用意されているが、数種類のデザインとサイズがそろう色浴衣が選べるのも、うれしいポイントだ。
　食事は絶景を望むダイニングで新感覚のビュッフェを。折詰の華やかな前菜、はなをりハンバーグなど新メニューも楽しみなディナーは、アルコールを含むフリードリンク。朝食には健康的な和洋のメニューが並ぶ。
　ブランドプロミスに掲げる「花咲くはなをり。」の通り、ここに滞在すれば、花咲くような笑顔が生まれ、大切な人と過ごす時間や会話が、より深く濃いものになる。

元箱根

湖畔の上質なリゾートで
心も体も目覚める〝ロイヤルな朝食〟を

　目の前に広がる湖と山々、もとからある一木一草、それらの自然と完璧なまでに調和する、唯一無二のホテル「ザ・プリンス 箱根芦ノ湖」。設計者の村野藤吾は日本近代建築の巨匠、それゆえ全館が見どころだが、その真髄ともいうべき圧巻の世界観が魅了するのが、メインダイニングルーム「ル・トリアノン」だ。その空間は優美な曲線を描く半円形で、吹き抜けの天井には独創的な照明が。リズミカルな幾何学模様の絨毯と椅子の青は芦ノ湖を思わせ、空間全体の華やかさの奥に品格が漂う。
　ここでぜひ堪能したいのは、心と体が目覚める「ロイヤルブレックファスト」。食材は、箱根に隣接する地域のブランド肉や乳製品をふんだんに、野菜もしっかり。選べるメインでは、ガレットなどフレンチらしいエッセンスを取り入れ、食べ応えがありつつも胃にやさしいメニューとなっている。美食に精通したシェフソムリエもうなるフレッシュジュース、ワインのデキャンタをイメージしたサイフォンで淹れる香り高きコーヒーも、極上の朝食をさらにおいしくしてくれる。

小涌谷

子どもも大人も笑顔になれる
家族にうれしい工夫が満載

　子どもと一緒に出かける箱根にぜひ選びたいのが、この夏開業2周年を迎える「箱根ホテル小涌園」だ。ホテルの向かいには水着で遊べる「ユネッサン」、日帰り温泉「元湯 森の湯」があり、チェックイン前もアウト後も入り放題。ホテル2階には、描いた絵が映し出されるデジタル黒板や木製の知育玩具を備えるプレイスペースがあり、チェックイン後はもちろん7時から20時まで利用可能。クッションマットが敷かれたスペースもあり、子どもを安心して遊ばせられると喜ばれている。
　お楽しみの食事は、芝生の庭園に面したビュッフェレストランで。子どもが取りやすい高さに設けられたキッズコーナーには、専用食器やカトラリー、便利なフードカッターや離乳食も。シェフができたてを提供するライブキッチン、多彩なアルコールを含む飲み放題も楽しめ、大人も十分満足できると好評だ。
　サイズが選べる子ども用の館内着やアメニティーも用意され、全館キャッシュレス対応なのもスマート。「次はいつ来ようか」、そんな言葉が自然に出てくる滞在が楽しめる。

宮城野

 静寂と自然を享受する隠れ家で
自分をととのえる滞在を

　明神ヶ岳の裾野に位置する別荘地、一般観光客が訪れることのない、ぜいたくなまでの静けさと雄大な眺望が迎えてくれる新しいホテル。「ｎｏｌ」はＮａｔｕｒａｌｌｙ、Ｏｒｄｉｎａｒｉｌｙ、Ｌｏｃａｌｌｙの頭文字。自分らしく暮らすように過ごし、その土地の日常に触れることで、心身をととのえ本来の自分に還る、〝ウェルネスな滞在〟がかなう宿だ。
　アースカラーでまとめられた客室は、温泉露天風呂付き、愛犬・愛猫と泊まれる部屋など29室６タイプ。ロビーラウンジのフリードリンク用にオリジナルタンブラーが用意され、記念に持ち帰れるのも粋な計らいだ。
　大浴場と通年入れるプールには、無色透明でさらりとした肌触りの宮城野温泉が。心地よい温度と開放感に包まれるプールでは、心と体が解き放たれるのを感じるだろう。
　敷地内のファームで元気に育ったとれたての野菜と地元生産者から届く旬の野菜を、レストランで味わえるのもこのホテルならでは。夜はイタリアンのコース料理で、朝はサラダビュッフェやプレートメニューで堪能できる。